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● 伝えたい言葉 |
――どうして意地を、張ってしまうんだろう
「又、喧嘩ですか?」
ぶすくれきった表情で円座に座り、開け放した障子越しに庭を睨む九郎に、弁慶がため息混じりにそう呟く。行儀悪く崩した足に膝をつき、膨れた頬に頬杖をつく姿は、とても源氏を率いる御曹司には見えない。
「君は昔から女性の相手が得意なほうではなかったですけど、こと望美さんに対しては輪をかけてひどすぎやしませんか」
望美の名を口にした途端、それまで全く反応の無かった九郎が猛然と振り返る。
「それはあいつが! 女のくせに口答えはするわちっとも大人しくしてないわで他の女と違うから!」
その激しさに、外套の下で弁慶が目を丸くする。心底憤っていると分かる、紅潮した頬とつりあがった眉。元々感情の起伏が激しくそれを表に出す傾向もあるが、ここまで如実なのはここ最近になってからのような気がする。そう、あの白龍の神子が戦陣に加わってから。
当の本人は、弁慶の反応を気にする余裕もなく憤っている。この苛々の原因は全てあの、神子らしくない神子のせい。
(心配を、しているというのに)
鎌倉へ上がる際、若干の強行軍だったのは否めない。それを兵に、そして望美に強いているという自覚もあった。
特に封印の力を使う望美は、剣を握るだけの自分たちとは違う疲労があるのだろう。本来、望美の揮う力は人外のもの――神にのみ行使を許されたものだ。如何にその神により許されたとは言え、器自体が神格化される訳ではない。
だからこそ、気をつけていたつもりだった。自分も、皆も。
特に対である梶原の妹は常に望美を気にかけていた。望美と共に異世界から来た譲も同じく、常に彼女の一歩後ろを歩き、気を配っていた。
望美が言う『大丈夫』やら『平気』という言葉には、多分に嘘が含まれる。嘘というのは言いすぎにしても、無理は確実に入っており、だからこそ余計に周りが心配するというのに、その辺りをあの神子はわかっていない。
だから。
『それが大丈夫という顔か。無理をして後々皆に迷惑をかけたくないのなら、大人しく休め』
無理をさせているのがわかるからこそ、辛いなら休んで欲しい。
自分には代わることは出来ないのだ。たとえ代わってやりたくとも、自分には封印の力はない。だからこそ、負担をかけてしまっているからこそ、きつい時にはそういって欲しいのに。
『無理なんてしてません!』
何が気に障ったのか、望美の顔色がさっと変わる。傍にいた朔が諌めるように眉を潜めたが、望美がそれに気付くことはなかった。
『足元がふらついているぞ。そんな様子ではいつ倒れるかわからん』
『大丈夫だって、言ってるじゃないですか』
『大丈夫に見えないから言ってるんだ!』
『大丈夫だから大丈夫だって言ってるんです!』
迷惑なんて死んでもかけないと、きぱり言い切った望美に半ば呆れる形で九郎が絶句したところで、穏やかな笑みを浮かべながら弁慶が間に入る。そして朔が、自分が疲れたから少し休憩が欲しいと弁慶に言い、丁度木陰があるからそうしましょうと弁慶が同意してその場は収まったのだ。
思い出しても腹立たしい。どんなに心配しても、望美には結局伝わらないのだ。
頬杖の手で口元を覆い、遣る瀬無い思いで九郎は目を半ば伏せる。
(心配を、しているだけなのに)
どうしてつい、きつい言葉を言ってしまうんだろう――
わかっている。自分にも言い分はあるが、弁慶の言うとおり望美が相手だとつい、きつい物言いをしてしまう。
意地っ張りな望美が、そう言われればどういう反応をするかわかっていながら。
しょんぼりと丸まった背中を見て、弁慶が苦笑しながらため息をつく。
本当に、似たもの同士だとどうして気付かないのか不思議でならない。
「ここでいじけていても、何の解決にもなりませんよ」
「いじっ……!」
「謝るなら早いほうがいいでしょう。先ほど朔殿と一緒のところをみかけましたから、奥の部屋にいるはずです」
言い放った言葉に、九郎がぱくぱくと顔を赤くさせながら必死の反論をしてくる。それこそが何よりの答えなのに、この鈍い男はきっと気付かないのだろう。だからつい、意地悪をしたくなってしまう。
「どうして俺が!」
「おやおや、違いましたか? 僕にはずっとそのように見えてましたが」
にこにこと、傍から見れば実に人好きのする笑顔を弁慶は浮かべているが、その笑顔がその者の心根を表すわけでは決して無い。少なからず九郎が弁慶から学んだことだ。
さらに何かを言い返そうと言葉を探すが、どうにも見つからない。うろたえる自分と笑みを浮かべる弁慶との差が非常に気に入らず、九郎が乱暴にその場から立ち上がった。
「話にならん」
「おや、どちらへ」
「……っ、先生に稽古を頂いてくる!」
どかどかとあえて足音を立てながら立ち去る九郎の背をみて、堪えきれずに弁慶が吹き出す。
意地悪が過ぎただろうか。だが、これくらいしてやらないとあの不器用な男は動けもしないだろう。
「ばれる嘘など、つくものではないというのに」
九郎が向かった先が、リズヴァーンが居るであろう方向とはまるで違う事実にはあえて触れず、弁慶は遠ざかる足音を見送った。
*****
「まあ、又喧嘩をしたの?」
縁側で膝を抱え、膨れ顔を乗せている自分の対をみて、黒龍の神子である梶原朔がそう、呆れたような声を出した。
そしてそれに対する返答がないのを悟ると、頬にそっと手を添えてため息をついた。
「九郎殿の言葉がきついのもわかるけれど……それにしたって望美、あなたもいちいちつっかかりすぎよ」
「だって! 九郎さんの言い方っていちいち失礼なんだもん! そりゃあ私は女だし? 体力だってないかもしれないけど、皆に迷惑なんてかけてないもん!」
大体私のことを女扱いしないくせに、こういう時だけずるいだのなんだの、望美の文句は止むことがない。どうしたものかと首をかしげつつ、朔は困ったように微笑んだ。
「九郎殿はあなたが心配なのよ。それでつい、きついことを言ってしまうんだわ」
朔の言葉が耳に痛い。
もぞりと膝を抱える腕を動かしながら、さらに顔をそこに埋めてぼそりと『わかってるよ』と返すのが精一杯。
そう、わかってはいるのだ。
(それくらい、わかってて)
『皆に迷惑をかけるまえに言えというんだ!』
九郎の声と、不機嫌な顔が思い出される。
だけど、そんなの。
(そんなの、お互い様なのに)
自分は知ってる。神子として自分の代わりがいないように、九郎にも率いるものとしての責務があり、それは誰も代われないということを。
そうして、影でずっと悩んでいること。1人で。弁慶や景時にすら愚痴を零さず、見切った仲間や失った兵たちへの謝罪をずっとずっと胸の奥で抱えて、その痛みを不甲斐ない自分の罰として受け止めていること。
(言って欲しいのは、私だってそうなのに――)
「あーも〜〜〜」
なのにどうして、口答えしか出来ないのか。
泣きたくなる。可愛くない。こんな自分はとても可愛くない。
心配をしていると、素直にいえたなら。
心配してくれる仲間の気持ちを、もっと素直に受け止めることができたのなら。
鬱々と落ち込んでいく望美を愛しく思いながら、その背に向けて朔は微笑む。
「行ってらっしゃいな。謝るなら、早いほうがいいわよ?」
「なんで私がっ!?」
自分も悪いけれど、九郎だって悪い。
それに今更、どんな顔をして話をしろというのか。
半ば八つ当たりのような声で返事をした自分に、対の少女は相変わらず穏やかな、けれど少し悪戯めいた笑顔で続ける。
「あら、だって顔に書いてあるわよ?」
膝を曲げて、望美の顔を覗き込んで。
「『早く仲直りしたい』って」
瞬間、望美の頬がカッと赤く染まる。
「そっ、そんなことないもん!」
望美にもそれがわかったのか、朔の目を避けるようにがばりと立ち上がると、すたすたと背を向けて部屋を去ろうとする。
「あら、どこへ行くの?」
「譲君のところっ!」
肩越しにちらりと振り返り、それだけを残すと望美は足早に朔の元を離れていく。
その後姿を見送りながら、くすくすと朔は笑い続けた。
「土間はあちらなのに……嘘が下手な子ね」
似たもの同士だと、気付いていないのは恐らく本人たちだけだろう。
そう奇遇にも弁慶と同じ感想を抱いた朔は、妹のような親友の姿が見えなくなるまでその場で見送った。
怒りに任せて部屋を飛び出したものの、どうしたものかと望美は思案する。
自分に非がないわけではないのだから、謝るのもいいかもしれないと思う。けれどきっと、九郎はまだ腹を立てているだろう。そんな九郎に謝ったところで、きっと又喧嘩になるのがオチなのだ。
それにそれに、九郎の方こそ謝りにきてくれてもいいと思う。
元々口がいい方ではないが、理解しているからと言って何を言われても傷付かないわけでもないのだし。
ぐるぐると考えながら歩を進める。このまま進んでは、本当に九郎らが居る部屋の方向になってしまう。
どうしようかと、考えた時。
――どんっ
「わっ!」
衝撃が顔面から来た。
廊下の角を曲がった瞬間に正面から何かにぶつかったらしい。普段ならばありえないことだが、どうにもぼーっとしていたのが悪い。
跳ね飛ばされるように尻餅を付きかけ、やってくるであろう痛みに顔をしかめて構える。
が、それが来ぬままに数秒、時間が経って。
「大丈夫か!?」
切羽詰ったような声に目を開ければ、まず目に入ったのは自分を覗き込む褐色の眼差し。
次に、軒先から零れた日を受けて、いつもよりも明るくなった金茶色の髪。
(――――っ!)
自分の脳内の9割以上を占めていた人物が目の前に居る。
自分がぶつかったのは九郎だったらしい。そして本来尻餅をつくはずだった望美の腰を九郎が引き寄せ、反対の腕で柱を掴みバランスを取っている。
望美に怪我が無いことを確認し、九郎がほう、と息を吐く。
「悪かった、俺も不注意で……望美?」
固まったように動かず、言葉も発しない望美をいぶかしみ、九郎が名を呼ぶ。そろそろと吸い込んだ酸素は、まるで石の様に硬く、望美の喉を痛める。
(顔が近くて)
睫の本数すら数えられそうなほど。瞳に移っている、滑稽なほど硬直した自分の姿が確認出来るほど。
不意に、腰に回された腕を意識して、望美の顔が一瞬で朱に染まる。
「だっ! 大丈夫です!」
動揺で我に返り、九郎との隙間に自分の腕を割りいれて距離をとろうともがく。が、体勢を整えきれていないこの状態で九郎が腕を放せば、間違いなく望美は廊下に転ぶであろう。
「馬鹿、大人しくしてろ……っ」
慌てたのは九郎で、勿論望美を支える腕の力は緩めない。その力の差に望美の動揺は更に激しさを増し、やがて九郎が仕方ないとばかりに望美をひょいと一度持ち上げ、廊下にすとんとおろした。
「ほら。全くお前は、本当にじゃじゃ馬だな」
九郎の腕が離れる。まともに顔が見られず、望美は俯いたまま暴れる心臓を鎮めようと懸命になって。
意味もなく髪を耳にかけて、しかしこれでは赤くなった顔が見えてしまうと再びおろした。
「……ごめんなさい」
ぶつかって転びそうになったのを助けてもらっておきながら、更に迷惑をかけてしまった。
小声でそう謝れば、九郎は物珍しそうにそんな望美を見下ろして笑った。
「なんだ、珍しく愁傷だな」
「もう! 折角人が謝っ……」
いつものように、返される軽口。
照れくさくて、悔しくて、反論しようと見上げた先にあったのは、笑顔。
だからもう、何も言えなくなって。
(いつも乱暴で 失礼なことばかり言ってきて)
ずるい。
人のこと怒らせてばっかりで、自分だって悪いくせに罪悪感ばかり抱かせて。
だいきらいって思うのに、どうして頭から消えてくれないの。
(だって)
不意打ちで、そんな顔で笑うから。
(卑怯者)
「望美?」
ふいに黙りこくり、再び俯いた望美を九郎がいぶかしむ。
名を呼んでも返事がない。もしや、どこか痛めたのかとひやりとし、望美の顔を覗き込むように九郎が問いかけたが、望美俯いたまま頭を振る。
全く持って理由がわからない。
「言わないとわからないだろう! お前、さっきも俺が言ったことを……」
「九郎さんだってそうじゃないですか!」
痺れを切らして声を荒げれば、望美から返された言葉も同じような響きの声だった。
やっとあげた顔は怒りの為か頬が赤く染まり、責めるような眼差しで九郎を見上げている。
対する望美は、やはり混乱していたのだ。九郎に対する自分の感情が、わからない。
きついことをいう九郎は嫌いだと思う。
だけど、不意打ちで笑う九郎を見ると、言葉を失うほど胸がぎゅうとなって。
1人で痛みを抱え込まないで欲しいと思う。色々考えることがあるのに、自分の事にまで気に病んで欲しくない。
だけど、それをどう言ったらいいのかわからなくて。
どう、接したらいいのかわからなくて。
なのにどうしてその九郎さんがおこるの。
「なっ」
「痛かったり、辛かったりするの、言わないじゃない! いつだって一人で、わた……皆に見えないところで我慢して! そんな人に言われたくないです」
「お前……」
返された言葉の響きに、後ろめたさが望美を支配する。
言い過ぎた。
少なくとも、今のは自分が悪い。ふいに黙り込んだ自分を心配してくれたのに、混乱した自分の感情を制御できずに九郎にぶつけてしまったのだ。
九郎をまっすぐに見ることが出来ず、望美が俯く。気まずい沈黙が場を支配し、望美にはどうすることも出来なかった。
やがて、どれくらい経ったのだろうか。数秒かもしれないし、数分くらい経っていたのかもしれない。
頭上からため息が聞こえ、思わずびくりと肩が震える。声音はどうであれ、もたらされるであろう言葉に覚悟を決めたが、聞こえた言葉は想像とは真逆のものだった。
「……悪かった」
予想外の言葉に思わず顔をあげると、困ったような顔の九郎がいた。
逆に九郎の方が望美の視線に耐えられないと言ったように視線を庭に逃がし、まるで独り言のように続けた。
「確かに、それが出来ていない人間に指摘されたら腹が立つのも道理だ。それは、詫びる」
「九郎さ……」
詫びる、の一言と共に望美へと向き直り、僅かではあったが頭を垂れた。この世界の、この時代の男性が、人に頭を下げることの意味くらいは理解していた。それを潔さと言うものも居れば、不甲斐なさと取るものも居るだろう。
「だがしかし、俺は一軍の将で、曲がりなりにも源氏の血を継ぐものだ。俺が他人に弱みを見せていては、味方の士気にも影響する」
先ほどまで視線を逸らしていた九郎はどこにもいない。
凛と、望美の奥の奥の部分に居る魂にまで訴えかけるような、眼差し。位などに縛られず、伝えるべき相手だと思った時には真摯に話をする時の、九郎の癖。
言葉が悪いのも、きついのも、本当のことをそのまま伝えているから。嘘がないから。
本当のことであれば傷つけていいかといえば、それは違う。だから、九郎の言葉全てが正しいとは決して思わない。だけどその分、この人物がどれ程自分自身に対しても厳しいかを知っている。
だから全部一人で抱え込んで 誰もいないところで苦しんで。
(そんなの)
「だったら!」
手を伸ばして九郎の袖を掴む。予想していなかった望美の行動に九郎は目を見開くが、どうしたと問いかける前に望美がまっすぐに九郎を見返しながら訴える。
「私には言って下さい。他の誰にも見せられないっていうなら、私、誰にもいいません」
「のぞ……」
「一人で抱え込まれるよりよっぽど……私、そんな九郎さん見てる方が辛いよ……」
いつも馬鹿みたいに単純で だけどまっすぐで。
不器用で傷付いて傷つけて、又傷付いて。
いつだったか。九郎自身から幼少の頃人質の身であったことを聞いた。
人に必要とされない人間であったと。だからこそ、自分を必要としてくれた兄の為に命を賭すのだと。
『俺はいらない人間だったからな』
そういって笑うために、どれだけの辛いことを乗り越えてきたの?
袖を掴む手に、力が篭もる。なんだか泣きそうになって、俯く。
そう、自分はただ九郎に。
(笑ってて欲しいのに)
静寂が流れ、居た堪れなくなって望美が顔をあげると、何故かぽかんとした顔の九郎と目があった。
何事かと考えて、はっとする。自分は先ほど、何を言ったのだろう。
「やっ、ちがっ! その、仲間! 仲間としてですから!!」
「っ、バ、馬鹿! 何を当たり前のことを言ってるんだお前は!」
慌てて否定した望美に、我に返った九郎も赤面する。
二人そろってじたばたしながら、互いに自分だけが赤くなっていると思い、形勢を立て直そうと奮闘するも上手く行かない。
望美は頬を隠すように両手で押さえ俯き、九郎は望美に見られないようそっぽを向く。
一度俯くと、再び顔を上げるのにすごい勇気がいるのに、どうして自分は懲りないのだろうと泣きたくなった望美に、九郎の方が先に言葉をかけた。
「いいヤツだな、おまえは」
顔をあげれば、やっぱり満面の笑みで。
おひさまみたいな、まあるいあたたかな笑顔。怒るかもしれないけれど、幼い子どものように嬉しさや喜びをそのまま形にしたような顔。
この表情を自分は、とても好きだと望美は思う。
「おやまあ。許婚同士でいいも悪いもないでしょうに」
予想外の声に、二人そろってびくりと肩を震わせる。驚いて振り返れば、呆れたような顔をした弁慶と、何故か赤くなっている朔がそろってそこにいた。
「弁慶!」
「弁慶さん!」
気が合うのはいいことだが、些かずれたままの平行線を辿りそうな二人を見て、弁慶と朔が深々とため息をつく。敏感に意図めいたものを感じた九郎と望美は、じとりとそんな二人を睨んだものの、分が悪いのは明らかだった。
「それで、仲直りはしたの?」
「そうですよ九郎。あんなにしょげていたではないですか」
「しょげ……っ! 弁慶、貴様適当なことを言うな!」
「その様子ですと、仲直りできたようですね」
「良かったわね、望美」
「ちょっと、朔!」
真っ赤になり、動揺する二人組とまったりと微笑む二人組。
張り合うように言った言わないを繰り返しているうちに、動揺していたほうの二人の口論が再開されそうになり、弁慶と朔が慌てて間に入る。
「じゃじゃ馬」
「わからず屋」
互いに捨て台詞を一言ずつ残し、九郎と望美はそれぞれの相棒と共にくるりと背を向けて歩き出す。
けれど互いに見えないその顔は、どちらも同じ笑顔だった。
Fin
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Comment:
05年の冬に出した天地青龍本の、没ネーム。
これを止めて、なんであんなに暗い話になったのかは自分でも不明。
九郎と望美は似たもの同士なんだと思います。GSの姫奈津もケンカップルですが、
それ以上に同等な感じ。
きゅんきゅんします(可哀想な子)!。
※じゃじゃ馬と言う言葉はこの時代ではなかったと思いますが、目を瞑ってくだされ…
20061216up
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