どこからか、猫の鳴き声が聞こえる。
千鶴は洗濯物を干していた手を止め、聞き間違いかどうか耳を澄ました。暫くは耳慣れた日常のざわめきしか耳に入らず、自分の気のせいだったかと再び作業を再開させようとしたその時、にゃあ、とはっきり聞こえてきたその声。
「やっぱり、聞き間違いなんかじゃない」
くるりと踵を返しかけて、止まる。足元の洗濯桶に入った洗濯物はあとわずかだ。逸る気持ちを抑えるのは大変だったけれど、千鶴は手早く残りのそれを干し終えると、今度こそ声の聞こえたほうへ足早に急いだ。
か細く聞こえていた「にゃあ」の声は、近付くほどに大きく聞こえてくる。
と、同時に猫のものだけではない声までも。
「だからさ、別にいじめたい訳じゃないんだって」
わからないコだなあ、と、困ったような、少しだけ苛立ったようなその声の持ち主にはとても覚えがある。ただほんの少し、本当にほんの少しだけ発した言葉の内容とその人物の印象が結びつかなかっただけで。
何が起こっているのかを見極めようと、そっと物陰から様子を覗き込む。すると千鶴の予想通りの人物が、大きく空に伸びた庭木に手を伸ばしていた。
「ほら」
「……」
「僕、あんまり気の長いほうじゃないんだけど」
一体何を、しているのか。
様子を伺ってみたのだが、一向にわからない。しかし一度隠れて様子を伺ってしまった手前姿を現すことも躊躇われて、千鶴は困ってしまう。さてどうしたものか。そこまで考えて、手に抱えたままだった木桶に気付き、とりあえずこれを置いてこようと引き返そうとした瞬間――足元でじゃり、と砂が鳴った。
「誰?」
「うっ、え、わ、私です、雪村です!」
最早逃げ隠れなど出来ないことを悟り、千鶴が背中を向けたまま返事をする。そうしてそろそろと沖田の方へ向き直り、影になっていたこちら側からそっと己が身を晒してみると、ものすごく複雑そうな、けれど無表情にも見える顔をした沖田がいた。
「何してるの」
「いえ、あの」
「僕の背中でも狙ってた? いいよ、やってみれば?」
「そんなわけないじゃないですか!」
「あははそうだよね。君程度の腕じゃ、僕に斬られてお終いだもんね」
いつもの冗談か本気かわからぬ軽口と、笑い声。けれど、何故か今回ばかりはそれが終わった後に微妙な沈黙が生まれる。
ええと、ええと。
(これはやはり)
自分は、見てはいけないものを見てしまったのだろうか。
鈍いだの疎いだの言われる自分ではあるが、さすがにこれは分かる。馬鹿でもわかる。
「あの! 私お洗濯の続きが」
「桶の中、空だよね」
「うっ……」
再びの沈黙。
視線を合わせることが躊躇われ、俯いていた視線の先で指先をもじもじと動かす。だがこうしていても仕方ないと、千鶴は顔をあげて沖田に問うた。
「沖田さんは、何をなさっていたんですか」
真っ向から聞けば、沖田もかわしきる事は出来なかったらしい。否、普段の沖田であればどのような手段を用いてもかわすことが出来たであろうが、そう出来なかったということは、少なからず沖田自身も動揺していたのだろう。
ふい、と視線が横にそらされる。あれ、と思ったその先で、沖田の目元がほんのわずかだけ朱に染まった。そして薄い唇が突き出され、総じて幼げな顔立ちを作り出す。
「沖田さん?」
「猫」
「え?」
千鶴の問いに、沖田は己の視線で答えた。それが向かう先は、先ほど沖田が声をかけていた庭木で。
その先に続く言葉がなく、千鶴は答えを求めるように庭木に近付く。と、がさりと葉を揺らす音と同時に、千鶴が庭で聞いた泣き声が聞こえてきた。
「猫? どうしてそんなところに」
「馬鹿だから降りられなくなっちゃったんじゃないの?」
吐き捨てるような沖田の声に反論するかのように、にゃあ、という声が聞こえた。
先ほどの沖田と同じように、千鶴も手を伸ばす。が、背のあまり高くない千鶴のそれでは、猫のいる枝まではとても届かない。挙句、人に慣れていないのであろう、手を伸ばす千鶴に怯えるように不安定な足場の上を後退しようとするものだから、気が気ではない。
「沖田さんだったら届きませんか?」
今だ膨れている沖田を肩越しに振り返れば、その視線は千鶴を通って猫に向けられ、そして再びふい、とそらされた。
「届かなくもない」
「だったらどうして助けてあげないんですか? 助けようとなさってたんですよね?」
「だって僕でも微妙な位置だし」
「で、でも届くんですよね?」
助けたいのか助けたくないのか。一連の行動を見ていれば、沖田は猫を助けようとしていたに違いない。が、その姿勢からは積極性が感じられず、矛盾するその二つに千鶴は困惑する。
猫と言っても随分と小さく痩せた猫だ。飛び降りても怪我をしない位置であるとは思うのだが、踏み切る力を支えるだけの強さが、その生き物が体重を預けている枝からは感じられない。猫にしてみれば、進むことも戻ることも出来ずに途方にくれていると言ったところだろう。
沖田さん? と名を呼ぶ。突き出ていた唇が、一層固く結ばれた。
「だって、君が言ったんじゃない」
じい、と見つめ続ける千鶴の視線が耐えられないと言ったように、つっけんどんに沖田が口を開いた。
千鶴は何が何だかわからず、視線のみで疑問を返す。すると沖田はそらしていた視線をまっすぐに向け返し、猫を指差した。
「小さな生き物は力加減が難しいって。乱暴に扱うと内臓を傷つけてしまうこともあるって」
だから、無理やり掴んで降ろすことなんて出来ないでしょう、と。
拗ねたようにそう言った沖田は、再びふい、と視線を逸らした。ああもう、なんでよりによってこんなところを千鶴に見つかってしまうのか。
猫を見つけたのは偶然だった。気持ちよく昼寝をしていたら、やたらと聞こえてくるにゃあにゃあという耳障りな泣き声に起こされて。
以前のような騒ぎになっては面倒だと、適当に追い出そうと身体を起こして声の方に近付けば、それは予想よりも高い位置から聞こえてきた。そして見つけたのは実に貧相な猫。己の技量もわきまえずにその身を置いた枝は、実に不安定に猫自身を揺らしていた。
君、馬鹿でしょう、と、とても猫とは思えぬ失態にため息をつきつつも不承不承手を伸ばしてやれば、生意気にも尻込みをする。それどころか、威嚇するような声とも吐息とも付かぬ音を出してくる始末だ。己を攻撃するものか救うものかの区別も付かぬのかと更に呆れてはみたものの、このままここで鳴かれていてもいい迷惑には違いない。
多少無理やりになるが、ひっつかんで塀の外にでも捨ててこよう。そう、思って手を伸ばしたその瞬間。
『沖田さん!』
脳裏に響いた、少女の声に沖田の腕がびくりと止まる。
以前屯所に猫が紛れ込んだ際、彼女からとくとくと諭された言葉を思い出し、恨めしげに猫を見やる。自分は又同じ失敗をするところだった。
無理やりに掴むことはできぬ。かと言ってこのまま放っておくことも出来ない。
がりがりと襟足を掻き毟り、挙句草履の裏で足元の土を掃く。が、現状は何も変わらない。やるせない気持ちばかりが募り、無駄な時間ばかりが過ぎていく。
ちらり。猫を見やって。
『あのさ……自分で降りてきてくれないかな』
手の平くらい貸してあげるから、そうしたら僕は君を無理やり掴むこともないし、君は無事そこから降りられて万々歳だと思わない?
そんな自分の提案は、見事に却下された。
無論、人間と猫とが言葉を交わせるはずもなく、現状に段々と苛立ちを見せ始めた沖田の身をまとう空気は、獣からしてみれば到底「信頼」出来るものではない。事態は硬直し、沖田は無駄だ馬鹿だとわかりつつも自分に出来ること――腕を伸ばし、愚痴にも似た説得を続けた、ということなのだが。
すっかり膨れてしまった沖田の横顔を、千鶴はぱちぱちと瞬きをして見つめる。そういえばそんなこともあった。あの時は猫のことばかり考えて、思わず叱り付ける様なことを口にしてしまい、随分と慌てたものだが――当の沖田は怒るどころか慌てたように「ごめん」と謝ってくれて。
びっくりしたのだ。人を斬る事に躊躇いのない「壬生狼」の、しかも組を束ねるような人が素直に自分の言うことを聞いてくれるとは思わなくて。普通の人と同じように、悪いことは悪いのだと己の行動を省みるのだと思わなくて。
「小さな生き物を育てたことなんてないし、力加減なんてわからないから。君に言われて、乱暴にしちゃ駄目だってことはわかったけど、それがどのくらいの力なのかなんて僕にはわからない」
まるで言い訳をするように続けられた言葉に我に返り、千鶴は再び猫を見てから沖田に向き直った。そうして、思いを口にする。
「助けてあげてください」
実に単純な一言に、沖田の眉がひそめられた。
「君、僕の言うこと聞いてなかった?」
「聞いてました」
「じゃあ」
「でも、沖田さんなら大丈夫です」
きっぱりとした響きに、沖田はその言葉を発した娘に視線を向ける。そこには、妙に自信に満ち溢れた眼差しを持った千鶴がいたものだから、面食らってしまった。
「何の根拠があってそんな事言うの?」
「大丈夫です」
「暴れられたら僕だって力を入れちゃうよ? そうしたらあの猫、下に降りる前に死んじゃうかもしれない」
「大丈夫です」
返す言葉を失うほどきっぱりとした返事が繰り返され、沖田は戸惑いを隠せぬままに猫を見る。痩せた猫は、問答をする自分達を伺うように、じっとこちらを見ていた。
「……知らないからね」
じゃり、と足場を踏み、猫に近付く。動いた沖田に怯えた猫が、枝を大きくしならせた。
「怪我したくなかったら、大人しくしててよ」
先ほどまでは伸ばしきることの出来なかった腕を、猫に向けて伸ばす。動転した獣が、状況を判断する間もなくその身を宙に躍らせるよりも早く、沖田の右手が足場である枝を掴み、左手が猫の身体を掴んだ。
けたたましいと呼べるほどの鳴き声と、枝が揺れる音。左手で掴んだ猫が暴れ、それを抑えるために枝を掴んでいた右手を包むように重ねる。
細い四肢が宙を彷徨い、しかしその身はしっかりと沖田の両の手の平に包まれていた。暴れる動きに沿うように、しかし重力には従わぬように沖田が猫を地面へと降ろす。猫は己の足が地面を掴んだと感じた瞬間、恐ろしいほどの勢いで庭の茂みへとかけて行った。
「良かった!」
猫の消えていった方向を見、喜色を浮かべて千鶴が沖田の横へと並ぶ。沖田は呆れたように千鶴と同じ方向を見、「なんて恩知らずなんだ」と呟くものだから思わず噴出してしまった。
「何かご褒美でもくれるの?」
漂々とした沖田の表情は、すでにいつものそれだ。けれど、少しだけそこに、嬉しそうな色が乗っているように見えるのは、気のせいだろうか。
「美味しいお茶をお淹れします。お茶菓子もお付けしますから、手を洗ってお部屋に――って」
言いながら何の気なしに沖田の手を見れば、先ほどの猫が暴れたせいであろう赤い筋がいくつも甲を走っている。千鶴の剣幕に沖田は眉をひそめ、こんなものは舐めておけばなおる、と、口元へ運ぼうとするものだから、千鶴は慌ててその腕をがしりと掴んだ。
「駄目です! 動物の爪には雑菌が沢山なんですから!」
ちゃんと水で洗って消毒しましょう、と、そのまま沖田の手を掴んで庭の端にある井戸へと向かう。沖田はと言えば、以前猫の扱いを注意された時と同じほどの剣幕に面食らい、柄にもなく黙って千鶴に従った。
二人向かい合って腰を落とし、汲み上げた水で千鶴が沖田の手の甲を洗う。ちょっと痛いですよ、という行為は、ちょっと、が指すような可愛らしいものではなく、思わず沖田は抗議の声をあげる。
「ちょっと! 本当に痛いんだけど!」
「すみません、でも我慢してください」
「すみません、って君やめる気ないよね……って、いたたたたた! 痛い!」
傷口をごしごしと洗われて沖田が悲鳴を上げる。実に珍しいその光景に、二人を知るものが見れば絶句するであろう。しかし千鶴にしてみれば真剣で、沖田にとってみても笑いごとではない。
けれど沖田が本気になれば容易に振りほどけるであろう拘束を、それでもされるがままにしていたのは無意識のことかそれとも。
「はい、もう大丈夫です。あとは念の為消毒しておきましょう」
「……千鶴ちゃんてさ、結構乱暴だよね」
「ら、乱暴って! 沖田さんはご存知ないかもしれないですけど、動物の雑菌って本当に怖いんですよ?」
「大袈裟だなあ。大体、この程度の傷なんてしょっちゅうなんだし、とりたてて騒ぐほどのことでも」
「ないんだったら、大人しく治療を受けてください」
沖田の言葉を逆手にとり、ぴしりと言い切る。千鶴自身無意識だが、事怪我や病気に関わる事態になると、妙に強気に出るきらいがあるのだ。
沖田は沖田で、先ほどの一件を見られた気まずさも手伝い、強く言い返すことが出来ない。が、このまま千鶴の言うとおりにするのも癪で、前言を撤回することにした。
「嘘。怪我することなんて滅多にない」
「子供みたいなこと仰らないで下さい。ちょっと沁みるくらいですから、大丈夫です」
「今だって、ちょっととか言ってすごく痛かったんだけど。君の言う『ちょっと』って、基準がおかしいんじゃない?」
「なっ、お、沖田さんに基準がどうこう言われたくないです!」
「とにかく嫌。痛いの嫌」
とりつくしまもなく、ふい、とそっぽを向かれる。これでは壬生寺に遊びに来る子供と同じではないか。一緒に遊んでいるうちに、行動まで似通ってしまったのではないかと千鶴が呆れ、ならばと咳払いを一つする。
「一番痛いのは、雑菌をとりのぞいた今の作業ですから。消毒自体は、本当にそんなに痛くないですよ?」
機嫌を伺うように、声音を柔らかくする。沖田からの返事はない。
「だけど、念のための消毒をしなかったら、あとで膿んで傷が酷くなったり、熱が出たりするかもしれません」
そうしたら、刀を握ることだって難しくなっちゃいますよ? と、次は少し、怖がらせて。
逸らされていた視線が自分に向けられる。よし、あともう一押しだ。
千鶴は身体を起こし、促すように繋いだままだった手を引く。行きましょう、と、笑顔で首を傾けた。
「消毒が終わったら、今度こそお茶とお菓子をご用意します。近藤さんがお土産に買ってきてくださったんですよ、美味しいからって」
数が少ないですから、内緒で食べましょう、の言葉が決めてだったらしい。
沖田の腰が持ち上がり、無言のままに歩き出す。応、ということだろう。
それほど深くはなかったのだろう。血はすでに止まっているが、その周囲はみみず腫れになっており、実に痛々しい。
傷口に触れぬよう気をつけながら、千鶴が沖田の手を引く。が、暫しの後に我に返り、慌ててその手を離した。
「す、すみません私、ずっと繋いだままで……っ」
「そんなに慌てることないじゃない。それとも、僕と手を繋ぐのはそんなに嫌?」
「そういう訳じゃないですけど」
「じゃあ、はい」
再び伸ばされた手を、困り顔で見る。治療の為と集中していた時は気にならなかったが、我に返れば途端に羞恥が襲う。それを分からぬはずもないのに、動揺する自分を、反対の顔で沖田は見てくる。これは反撃だろうか、と穿ちたくなるのも仕方あるまい。
「はい」
再び促され、千鶴はそっとその手をとる。水で冷えたはずの指先が、このわずかな時間であっという間に火照ってしまった。
ひんやりとした、沖田の手が心地よい。
「あのさ」
強くもなく、弱くもない力で繋がれた手の先から、声が降る。
「どうして、大丈夫だと思ったの」
「え?」
「猫。僕が傷つけないって」
沖田の問いに、千鶴が「ああ」と得心する。その自然な変化に、沖田の方が少なからず驚いた。
「だって沖田さんはもうご存知でしたから」
「……何を?」
「猫が、力を入れたら傷付くものだってことを」
あの時は知らなかったら加減を間違えた。けれど、今の沖田は知っている。
知っていて、それをしたくないと思っている。そう決めた沖田ならば、決して猫を傷つけるようなことはしない。
その証拠が、彼が負ったこの傷なのだ。
笑みを浮かべる千鶴に、沖田が呆れた顔を向けた。
「君って本当に能天気というか単純っていうか……」
自分を斬るかも知れない相手に、何を言っているのだろうか。日々、人を斬ることを、傷つけることを生業としているような自分に、何を言っているのだろうか。
知っているのと、それを行うかどうかは別問題だ。わからぬほど幼い歳でもないであろうに、潔くきっぱりと言い切った千鶴を、愚かだと思う反面で言葉に出来ぬ感情が胸に湧く。
「はい。じゃあ消毒しますね」
勝手口から土間にあがり、調理用の焼酎を取り出しながら宣言する千鶴に、言われるがまま傷のある手の甲を上に向けて差し出しながら、沖田は念を押した。本当に痛くないんだよね、と。
すると千鶴の目が一瞬動いた。本能で引いた手を、とても素人の娘とは思えぬすばやさで千鶴が掴む。そうして、常の彼女の力からは考えられぬ強さでぎゅうと握られた。
そうしてにっこりと微笑が浮かぶ。
「沖田さんなら、大丈夫です」
だってお強いですものね、と。
言葉と共に、実行された行為は身構えるよりも早かった。強く握られた手首は、消毒の痛みを感じづらくする為だと知ったのは暫く後の話。
「信っじらんない!!」
治療が終わり場所を移ってからも、沖田の不満は止むことを知らない。さすがの千鶴も、治療の為なんですから仕方ないじゃないですか! と、声を大にしたくなるほど繰り返されるそれに、けれど千鶴はぐっと堪える。ここで言い換えそうものなら、今後暫くは「からかう」などと言う可愛らしい言葉ではすまない数々の嫌がらせが実行されるであろう。
「千鶴ちゃんがこんなに嘘つきだったなんて僕知らなかったよ。女の子らしい体型じゃ無くても、心根は女の子のそれだと信じてたのに」
「さりげなく失礼なこと言うのやめてください」
「わかったじゃあ堂々と言うね。千鶴ちゃんの胸はぺったんこで胴もまっすぐで丸みにかけてて演じるまでもなく立派な男の子――」
「どうしてそっちに行くんですかあ!!」
やがて騒ぎを聞きつけた土方が怒鳴りつけに部屋に訪れるまで、二人のやりとりは延々と続く。
その間では、近藤が買ってきたという菓子と、沖田好みの温い茶がゆらりと白い吐息を零していた。
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Comment:
アキトさんお誕生日おめでとうございました!
遅れに遅れてごめんなさい。
20100318up(公開:100326)
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